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今日も遊家にて…
第十七話 十四代<後編>
試飲会などで、好印象を与える酒は、
香り高く、フルーティな甘さがある酒だそうだ。
数ある酒の中で、印象を残すには、派手さが必要。また逆に癖のある味は、マイナス印象として記憶されるという図式だ。

そのような酒に対する批判として、多くの蔵元が反対意見となる酒を提供している・・・
「うちの酒は飲み飽きない酒を目指している。試飲会では、最初は選ばれないかもしれないが、最終的には、飲みやすいうちの酒が一番に飲み干される。」
つまり、香り高く、フルーティな甘さのある酒は、飲み飽きるといいたいのだろう。

確かに、出品酒の大吟醸、YK30といわれるような酒は、
癖もなく、ほのかに旨くと、初印象はいいのだけど、飲み進むほどに、?な印象が強まり。
場合により、一合飲むのも辛くなる。淡白すぎるのだ。
たしかに酒を飲んでいて飲み飽きるという現象はある。

まあこれは、十四代を名指ししての反論ではないのだろうが、
総論として、「飲み飽きる」問題には、一言必要だと思う。

そもそも、
「うちの酒は、飲み飽きない酒を目指しています。」
という発言に対して、私はまったくその通りであると認める。
その部分に反論は無い。そのような目的をもち、それを達成していることに間違いはない。

しかし、その前提が、おかしいのではないかとは発言したい。
私は常々、機会あるごとに発言しているのだけど、「2合までの男」なのだ。
そんなに飲めないのである。普段家で飲む場合、一合でもいいくらいだ。

いったい何合飲ませようと思っているのですか?

これは、酒造会社全体に問いかけたい質問だ。
酒のマーケティングをするのなら、「酒好き」にアンケートをとるだろう。
たくさん日本酒を飲んでいる日本酒ファンに意見を求めるわけだ。
そういう人たちの発言力は強くなる。これは、筋としては間違ってはいないだろう。

しかし、一合しか飲まない人々の意見も聞くべきでは無いだろうか?
一合というのは、日本酒換算でそういう表現になるが、ビールで言えば缶ビール一本、チューハイ一本といったところだ。

一合しか飲まない人にとって、「飲み飽きる」などという問題は、まずは発生しない。
なぜなら、飲み飽きるほど飲まないからだ。

勝手にグラフを作成してみたが、日本人全体にアンケートしたと仮定して、一人一回あたりの飲酒量はどれくらいか?と問うた場合。統計として、まったく飲まない人から、たくさん飲むまでの人を横軸にすえれば、
その人口は、おおむね左記の通りとなるだろう。
「飲み飽きない酒」がターゲットとする層が右の赤い部分。
一方、1-2合でよしとする部分が左の青い部分だ。
恣意的なグラフではあるが、実際の統計もこれに近いものになるのではなかろうか?

この青い部分には、女性も多く含まれるだろうし、
新成人の酒初心者も含まれるだろう。

もっとも注目すべきは、青い部分と赤い部分は、おおむね消費者数として半々なのではないか?
少なくとも、青い層は無視できるようなボリュームでは無いということだ。

この青い層は、意外と大手酒造会社も見逃しているのでは無いかと考えている。
日本酒のマーケティングをする際に、明確に1合(ワンカップ)しか飲まない層というものをターゲットに真剣に取り組んだ形跡が無いからだ。
量を売ることのみにとらわれてはいないだろうか?
たくさん飲む人がいい客だ。
それはその通りだが、業界全体がそれでは寂しい。

試飲会で、一番を取る酒、
一合しか飲まない客層、
女性に飲んでもらいたい、
若者の愛好者を増やしたい、

全ての統計はすでに出ているように思われる。
「飲みあきしない酒」は、回答では無い。
メインターゲットとなる王道は、そうではない。

まとめとかは無い。
それほどに複雑な話でもないと思っている。

・・・・・ 

くどい話にここまで、お付き合いくださって、まったく感謝。
しかしながら、普段より、十四代の誹謗を無批判に行う輩には、
いらいらが募っていた次第。ご容赦いただけるとありがたい。

また、十四代の名を借りて好きなことを書いただけではないかというご批判、謹んでお受けする。(汗) 
2010年11月02日

コメント(8)

「一日四合、休肝日はビールの日」という方の言葉を引用した
十四代の批判を聞きますが、普通はそんな飲まない、というか、
十四代をそのくらい飲んでみたい(肝臓が許容しないけど、笑)

イベントなどで十四代が一番早くなくなることは結構あります。
貴重な機会に飲んでおこうてのもあるけど、やっぱり美味しいから。
「飲み飽きしない」ことより先に「美味しい」ことが大切ですね。
話題に触れると、十四代が飲みたくなってきました(笑)
2010年11月03日 05時59分04秒  エル・ドゥロ
休肝日はビールとは、いいですね(笑)
飲みあきしない酒は、長距離走タイプで、
一方の酒は、短距離走タイプっていえばいいのかな。
お互い、陸上競技やってて、どっちが偉いってのは無いはずですよねー・・・

スタートダッシュばっかり得意で、
後半だれるってのも、まあ、特色としてありじゃないすか。
2010年11月06日 17時11分24秒  ごえも〜ん
ごえも〜んさん、こんばんは。
僕はどちらかと言うと右側の赤ラインに属する人ですが
飲み飽きしない酒はあんまり好まないです(笑)。
飲み飽きしないってのは飽きないけども
満足することもないってことだと思います。
外飲み初挑戦の1杯目でパッとしなけりゃ
次回飲むことも購入することもあまり無いっすもん。
1杯で満足させてくれる、そんなお酒が私は大好きです!
2010年11月06日 21時22分20秒  ひなちゃん
毎年振る舞い酒で持っていくお酒で,一番最初になくなるお酒は十四代です。20代,30代,女性の支持が圧倒的です。
今はやりませんが,若い頃十四代の龍の落とし子や磯自慢の青春あたりを飲むときは,5合位は一気に開けちゃいました。少なくとも飲み飽きた経験はありません。でも上善水如は飲み飽きるかも。
2010年11月06日 21時53分24秒  静岡の日本酒がいい
ひなちゃん
赤ラインいいですね。こればかりは、ほぼ遺伝子できまるからなー。

「満足することもない」って表現すごいですね。納得。
一杯で満足させないといけないって、
いやぁ、鋭い。その通りだ! 
2010年11月07日 10時12分04秒  ごえも〜ん
静岡の日本酒がいいさん
なぜか、被ってますよね。フルーティ系と、女性と、少量しか飲まない、初心者層っていうのは。

五合は、さすがに次の日頭痛そう・・・w
十四代、磯自慢は、旨みの作りこみも秀逸ですから、飲み飽きたりはしないんでしょうね。上善は、いろいろ言われる酒ですよね。
近年、飲んで無いなー。
2010年11月07日 10時17分39秒  ごえも〜ん
あ、ようやく後編が...(笑)
なかなか難しいテーマに挑まれて、大変でしたね。

私も「青い部分」にいる男なので、非常に共感を覚えます。
今日、村祐の口コミを書いたのですが、あれも同じ方向ですよね。

これはお酒に限りませんが、玄人筋のご意見は貴重なれど全てではない
という感覚は、とても重要と思います。
2010年11月11日 03時58分30秒  tomtom
遅くなりましてすみませんでした。
村祐も同じ方向ですね!新潟なのにがんばっている。

玄人筋って表現いいですね。
僕らの青い部分にも、なんかカテゴリー名称が欲しいかも。(;´▽`A``
「俺の話を聞けー」w
2010年11月14日 11時42分47秒  ごえも〜ん
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執筆者:ごえも〜ん
純米酒好き。
好きな酒は飛露喜。

ブログ:いざかやとかほうろうき