トップページ > 今日も遊家にて…
今日も遊家にて…
第四話 翠喜の謎
いつもどおり、遊家にての話。
今日は、久しぶりに本店にて名古屋コーチンの鍋を肴に酒を飲む。
遊家は、東急田園都市線溝の口駅にある居酒屋で、本店と昨年出店したすずらん通店の2店舗体制である。本店は焼鳥フリークのオーナー社長が仕切り、鍋などもだす。
すずらん通店は、日本酒フリークの須藤店長が仕切っている。
両店舗の酒は、すべて須藤店長が手配している。

その本店にて、不思議な酒を見つける。
諏訪の舞姫酒造「翠喜」。
なんだろう。当コラム第一話でも取り上げた舞姫酒造は、経営再建中。
なのに、銘柄整理の逆、手間がかかる新銘柄を出したのだろうか。

美山錦を使用した純米吟醸生酒。
このスペックは、舞姫酒造の大定番といえる。

しかし、なんだろう完熟フルーツのような、舌の上で転がる重層的な甘さがあり、
たいそう旨い。
というか、かつて無いほどのウマさだ。美山錦でこれほどの味が出せるのか。
飲むほどに確信する。
間違いなく、生涯最高の美山錦。美山の旨味をもっとも引き出した酒といえるのでは無いだろうか。

この謎は、
一週間後、すずらん通店を訪れたときに判明した。
店長曰く、これは、多摩市の小山酒店限定の酒で、当酒店では、各蔵の特別酒が少量扱われている。そしてその酒には、酒店創業者の小山喜八の「喜」の字をとって、銘に組み合わせされるそう。
その舞姫酒造の翠露限定酒が、「翠喜」となるらしい。

しかし、この翠喜は、従来飲んでいる翠露とはあまりにも味が違う。
特別に造りまで変えてしまうのだろうか?
それとも、舞姫酒造で造りの出来の誤差の範疇で、これは最高の部類の酒なのだろうか?
これを飲んだ消費者が、次の年も買い求め、違う味になっていたら戸惑うだろう。
もしや通常の翠露は、この誤差を収束させるために、タンク同士を混ぜあわせ、平均化した酒を造っているのだろうか?
と、いろいろ思案にくれる。

Webを検索すると、小山酒店用の小タンクで醸造したと書かれている。
ということは、わざわざ分けて造っているのだから、造りが違うということか。
手間がかかることをしているものだ。

これほどのウマさなら、是非とも限定酒といわず、定番酒としてほしいほど。

しかし、判然としないな。
京都の居酒屋んまいの経営者は、各蔵に頼み込み特別に生酒を造ってもらっている。
これでも大変なことだとは思うが、生酒は、通常の造りの行程で出てくる酒なので、特別対応といっても、やれない話ではない。

酒のマチダヤは、各蔵を説得して、手間のかかるワンカップのラインナップを作り上げた。

はせがわ酒店は、同様の発想で、表参道ヒルズでも見栄えがする一合瓶のおしゃれな小瓶のラインナップを揃えたり、最近は、南アフリカワールドカップ記念ボトルシリーズというのを展開し始めている。

しかし、この翠喜は、それらとは次元が違うような気がする。
偶然が生み出したミラクルなのか、
これは計算された結果なのか。

酒飲みのただのおめでたい妄想は尽きない。






2010年02月01日

コメント(6)

ごえも〜んさん、ちわッス!これは「タンク買い」という感じですね。酒屋が見ると銘柄の名を見ただけで浮かびます。杜氏が一番気に入った酒に名を付ける、というのがありますが、逆バージョンです。同じ銘柄でも「うすにごり」「直汲み」とかありますが、後者はPB的要素が多いです。違うスレで「特級特約店とはなんだ?」と質問がありましたが、これらが可能な酒屋さんのことでしょう。
2010年02月02日 09時03分38秒  さけあきんど
直汲みとか、攻めとかを特別に卸します〜ってのはアリマスよね。
ちょっと、考えたんですけど、麹米と掛米の組み合わせが特別ってのが、一番、蔵にとってやりやすそうですかね・・・。
新しい酵母菌や、酒米を使ってくれって言うのは、ハードル高いでしょうから。味は一番変わると思いますけど。(^^ゞ
2010年02月03日 08時52分23秒  ごえも〜ん
何度もごめんなさい。小山さんにかぎっては、酔露さんが大変なのを知ってて、責任持つからタンク1本ヨロシク、って感じだと思いますよ。
2010年02月03日 18時29分26秒  さけあきんど
2008年から造ってるらしいので、今年特別ってわけじゃないみたいですけど、「責任持つからタンク一本よろしく」ってのは、結構真実なのかもしれませんね。(^^ゞ
2010年02月05日 10時19分34秒  ごえも〜ん
喜八SPは山梨の笹一のものもあり、飲んだことがあります。
甘さが過ぎるかな、とも感じましたが美味しかったです。
それも美山錦の純吟生だったはず。

見かけたら是非。比べてみてください。
2010年02月05日 22時35分54秒  エル・ドゥロ
(゜◇゜)ゞラジャ〜
いやぁ〜、打てば響く、知ってる人もいたとわ。
エル・ドロさん、飲兵衛業界は狭いですねぃ。
( ∩_∩)_旦~~まま、お茶でも。
2010年02月07日 10時32分46秒  ごえも〜ん
※ログインすると、コメントできます。
メールアドレス
パスワード

[パスワード忘れた][メンバー新規登録]

執筆者:ごえも〜ん
純米酒好き。
好きな酒は飛露喜。

ブログ:いざかやとかほうろうき